古い業界を変える不動産テック企業という存在
FinTech（フィンテック）やEdTech（エドテック）など、〇〇テックというキーワードが各業界を席巻しています。
〇〇テックとは、ある業界とテクノロジーを掛け合わせた用語のことで、テクノロジーによってその業界に変革しつつあることを示しています。
不動産業界も例外ではありません。
不動産テック、Real Estate Techなどと呼ばれ、ベンチャー企業や新しいサービスが注目されるようになってきました。
管理業務におけるテクノロジーの導入
不動産管理においては、社員による個別の対応が必要となるケースが多くあります。
顧客リストの管理、契約の流れ、各種問い合わせへの対応などの業務を効率化するために、情報を一元管理するシステムの提供が増えました。
エクセル中心の労働集約型の業界から、少しずつ業務改善が図られています。
賃貸業務における効率化
不動産賃貸の領域でも、業界の昔からの慣習が多く残っています。物件を借りる際によく分からない料金を請求されたという方も多いでしょう。
ここに切り込むテックカンパニーは1ヶ月などの超短期間での貸し出し、スマートフォンで完結するようなシンプルな契約で効率化を図っています。
内見の際に、VRを活用する企業も話題となっています。VRでは、インテリアを付け加えて住んだ時のイメージを鮮明にしてもらうこともできます。
業務を効率化するするだけではなく、物件をより魅力的に見せることで成約率の向上にも役立っている事例です。
スマートハウス、スマートシティの構築
不動産テックの中でもスマートハウスは、進行が遅い領域と言われています。
IoTを導入するためには、建築の段階からそういった機能を取り入れていくべきで、後付けでは限界があるからです。
ただし、私たちの家での過ごし方にテクノロジーを活用できる領域は多くあります。
朝にカーテンを開ける、部屋に入ったら電気をつけるといった基本的な動作は比較的簡単に導入可能ですし、外気の温度に対して設定するエアコンの温度も、住人の行動を数週間学習すれば自動化することができます。
より大きな構想としては、スマートシティの開発も注目されています。
環境負荷や利便性の面からみても、テクノロジーを駆使した計画的な都市構想のメリットは大きいです。
スマートオフィスの需要
コロナウイルスの流行とともに注目されるようになったのが、オフィス用途の不動産におけるイノベーションです。
以前から、スマートデバイスやIoTの導入は注目されていましたが、コロナウイルスによってオフィスの必要性や未来について改めて疑問が投げかけられています。
そもそもオフィスは必要なのか、三密を避ける構造をオフィスに実現できるのかといった視点を多くの人が持ったことによって、デベロッパーに変革が求められています。
いままで注目を集めることが少なかった換気設備にも注目する方が増えました。こちらに関しては、商業施設やイベント会場にも求められており、大型の不動産全てに共通する問題であるといえるでしょう。